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東京高等裁判所 昭和24年(新を)2305号 判決

被告人

望月明

主文

本件控訴を棄却する。

理由

前略。

論旨第一点について。

記録を調査すると、原審公判廷における証人古屋重光の証言は、所論の如く事故簿を基礎としてこれを見ながら証言したものであることが認められる。従つてこの様な場合には、所論の如く事故簿の証拠調をして事故簿の記載と証言とを綜合して証拠に採用する方が正確であることは勿論であるが、本件事故簿は国有鉄道の公簿であることは裁判所に顕著であつて、その記載もおそらく正確であろうと推認せられるから、訴訟進行上の便宜又は時間の経済といつた意味合から、原審が、古屋証人が右事故簿によつて供述したところを公判調書に記載し、これを証拠に採用し、別に事故簿の証拠調をせず、従つてこれを証拠に採用しなかつたとしても違法ではない。

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